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イームズハウス
ケース・スタディ・ハウス #8

竣工年:1949年
建築家:チャールズ&レイ・イームズ夫妻
所在地:ロサンゼルス,パシフィックパリセーズ
規 模:約152㎡(住宅棟)+約96㎡(スタジオ棟)

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外観/2017.5 [01]

1945年、『アーツ&アーキテクチャ』誌の編集長だったジョン・エンテンザの依頼を受けて、チャールズ・イームズはエーロ・サーリネンとともにこの家の設計を開始した。同誌が主催した「ケース・スタディ・ハウス」企画は、1966年まで継続され、新しい暮らし方を提案するモダン住宅25軒が実現し、イームズハウスはその内の一つである。イームズとサーリネンは、ロサンゼルスのパシフィックパリセーズ地区の丘の上の広大な敷地に、太平洋を一望するL字型配置の住宅兼スタジオ「ブリッジハウス」を第一案として計画し、その隣の敷地にケース・スタディ・ハウス #9(編集長エンテンザ邸)を設計した。当初はキャンチレバー(片持ち梁)で丘から張り出す計画だったが、1947年(この頃にはサーリネンは設計から手を引いていた)には、イームズ夫妻は計画を見直し、周囲の環境を最大限に活かす目的で、ユーカリの列植に寄り添うように直方体を直列に並べた案に変更した。イームズハウスは、二層分の高さの均質な内部空間を構築しており、住宅用途に限定されないユニバーサルな空間概念を提示している。ここに夫妻が実際に住むことにより、新しい暮らしの姿を浮かび上がらせ、建築と住まうこととの関係性、言い換えれば住宅建築の可能性を拡大した。1958年に夫妻は、カリフォルニア州ベニス(ワシントン通り901)に仕事場を移した。その時から1988年まで(レイが亡くなるまで)夫妻が暮らしていたそのままの状態が現在も保存されている。本展ではこの状態を基に再現している。

初期のブリッジハウス案スケッチ/1945 [02]
イームズハウス外観スケッチ/1948 [03]
イームズハウスリビングのスケッチ [04]
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リビング/2017.5 [05]
エントランス/2017.5 [06]
リビング/2017.5 [07]
キッチンからリビングを見る/2017.5 [08]