ギャラリーエークワッド賞

山本 美和

山本 美和
雨の暮れ方、タイヤで堰き止められた雨水に写る自分を撮った写真です。フラッシュを焚いて自己主張したところが見事です。西田幾多郎記念哲学館(石川県かほく市)の展示の中に井戸をモチーフにした仕掛けがあります。のぞき込むと、自分が井戸底に写ります。自分を見て己を客観視する、更には自己と対話する、そんな触媒作用が意図されています。撮影者もこの時、自分と対話されたのでしょうか・・・。詩的感性と、絵心、写真テクニックが際立つ作品です。(GA4)

大沼 和美

大沼 和美
渋谷は大型ビルの集積だけではなく、交通インフラの積層化により利便性を高め、街区のつながりと街の拡張を図っています。渋谷駅周辺部に展開する車と人の動線が織りなす立体造形をダイナミックに写し撮り、再開発で活気づく今の渋谷を表象した作品です。ビルの隙間を縫うように歩行者デッキに落ちる光、どこかのビルの反射光、大都市ならではの一瞬の姿も敏感に捉えています。(GA4)

金子 優子

金子 優子
東京2020オリンピック・パラリンピック開幕までの時を刻む時計。残りの日数が0になっても、時間が0を示しても、何も起こらないという近未来を誰が予想したでしょうか・・・恨めしや、コロナ禍。このカットは全応募作品の中で唯一これだけです。淡々と時を刻むオブジェ、今回の企画の記念碑的作品です。(GA4)