六甲山材 ╳ 木工家

「ハイスツール」

會田 竜也(木の仕事)

樹種(地域材)コナラ
その他ナラ
仕上げオイル
寸法(mm)W400×D346×H600

六甲山材は節・割れ・ねじれが多い。さらに家具用に製材されたわけでは無く直径が細い。普通に考えたら使えない所が多い。その中で綺麗な使いやすい所を探すのではなく、その節・割れ・ねじれをそのまま使おうと思う。加工するので、そのままにはならず、僕の意志が入る。

空五倍子色うつぶしいろの椅子」

岡田 敦(岡田家具創造堂)

樹種(地域材)コナラ
仕上げ灰汁染めオイル仕上げ
寸法(mm)W740×D260×H430(SH430)

今回使用した入皮の材は、市場に出回る事が限りなく少ない物です。地域材だから手に入ったわけでは無く、価値があると判断する人が少ないからです。材を見たとき、何か感じるモノがありました。そして作業に入ります。すると悪くないです。むしろ楽しい時間を頂きました。地域材を使う事は、今の日本にとってしなければいけない事の一つとなります。だけど私が感じた事は、この樹に鉋をかけている時の気持ち良さです。

「WindsoR」

岡田 光司(isDesign)

樹種(地域材)ハンノキ、ヤマザクラ
その他ペーパーコード
仕上げオイル
寸法(mm)W630×D520×H900(SH420)

初めて作った家具は、地域材でした。働いていた帯広の牧場で切り倒された木を使い、旭川の訓練校の卒業制作でテーブルセットを作りました。虎杢の入った美しい木目を持つ材料でした。六甲山の樹は、神戸生まれの私にとっては、特別な思い入れがあります。これまで、取り組んでこなかったウインザーチェアにチャレンジしてみました。現在の流通では、家具を作る材木を輸入材に頼っていますが、初めて作った家具の時のように、自然な形で、地域材を取り入れていければ…と思っています。

「小椅子」

岡田 貴幸(wood+iron works 2ほんの木)

樹種(地域材)ヤシャブシ(座面、貫)
その他ウォールナット
仕上げ着色+オイル仕上げ
寸法(mm)W480×D450×H780(SH420)

ものづくりについて/シンプルだけど個性のあるものができればと思っています。また何十年、何百年かかって育った命をいただいてものづくりをしていることを忘れずにいたいと思います。 地域材について/樹の一脚展をとおして地域材を使ったものづくりを多くの方に知って頂きたいと思います。また、この活動が続き皆さまがものを選ぶさいの選択肢の一つになっていければと考えています。

「A-1chair - Forest」

北島 庸行(アトリエKIKA)

樹種(地域材)コナラ
その他淡路島産コナラ
仕上げクリアオイル
寸法(mm)W420×D490×H910(SH435)

近年は身近な所から手に入る雑木を利用した制作にも力を入れています。今回は生まれ育った神戸・六甲山の小楢と20年暮らす淡路島の小楢を合わせてこの椅子を作りました。作り手からすると決して使い易い材料ではありませんが力強さが魅力です。こんな近場の雑木で様々なものを作りたい気持ちが更に膨らみました。そしていつも目にしている森の木で生活用具を作ることが、人と自然の距離を少し近づけるのに役立つことも願っています。

「六甲の森」

児玉 正和(久付木乃工房)

樹種(地域材)コナラ、ヤマザクラ、ハンノキ
仕上げオイル
寸法(mm)W550×D630×H720(SH380)

座り心地のいい椅子って何? 人間工学に基づいた姿勢を保つ事? それだけじゃあ木でなくてもいい事になるけど、沢山の木に囲まれた心地良さ、自然と愛撫したくなる気持ち、大きな木に、より掛かりたくなる気持ち、森の中にいる心地の様な、そんな木に包まれる椅子を作りたい。

「Ren (蓮) chair」

後藤 雅宏(後藤雅宏工房)

樹種(地域材)ヤマザクラ
その他ナラ
仕上げ黒染オイル仕上げ
寸法(mm)W500×D570×H880(SH410)

神戸にある実家に向かう時に、よく利用する六甲山の峠道。毎春、道路脇に並ぶ満開の桜の傍を通るが、いつも新緑の山腹に、ポツンと咲かせている一本の山桜の方に心惹きつけられる。デザインをしたのは数年前だが、今思えばそういうものを作りたかったのかもしれない。空間における書や花のような役割を目指した椅子。今回の縁で同じ山系の山桜を座板に使用できた。用途に合う適材を選びつつ、より地元の樹にも目を向けていきたい。

「エルミーチェア」

佐々木 拓也(NaLgreen)

樹種(地域材)コナラ
その他ファブリック
仕上げオイル
寸法(mm)W500×D400×H550(SH420)

地元の良さを不意に思い返すように「そういえばこの椅子いいよね」と時が経って感じられるその人の生活になじむような想いで製作しました。身近にある地域材を使うことで「そういえば六甲山の木もいいんじゃない?」と山の木の見え方が変わるきっかけになれば嬉しいです。

「Leaf」

関野 央也(TENON)

樹種(地域材)ヤマザクラ
その他籐張り
仕上げオイル
寸法(mm)W570×D450×H680 (SH420)

今回は自然の中にある「葉っぱ」から着想を得て制作しました。葉っぱはいつも風や日光、雫などを受けとめながら樹の営みの一部となっています。この椅子も人の体を受けとめて生活の一部となればと思います。

「HT Stackable Armchair」

中野 潤(家具 木工芸 中野潤)

樹種(地域材)コナラ
仕上げオイル
寸法(mm)W600×D500×H680

テーブルが前にあるとスタッキングチェアを重ねるのは非常に手間がかかります。地元の木材をどう活かすかを考えて、この数年取り組んでいるスタッキングチェアを制作しました。ありそうで無かった後ろから重ねられるアームチェア。この構造の椅子がなぜ今まで一般的になっていないのか不思議です。ネーミングはこの椅子を向かい合わせに置いて真横から見たところが六甲おろしでおなじみ某球団のマークに似ているところから。

「bow stool」

中山 和紀(ナカヤマモッコー)

樹種(地域材)コナラ
その他ホワイトオーク
仕上げオイル
寸法(mm)W480×D390×H425

少量、悪材であっても、複数制作でも変わらないクオリティを出せる様、シンプルで材の無駄が極力少なくなる構造にした。

「RH CHAIR」

馬場田 研吾(BABATA WOOD DESIGN)

樹種(地域材)ヒノキ
その他メープル(座面枠)、ペーパーコード張り
仕上げオイル
寸法(mm)W445×D470×H730 (SH410)

今回製作した椅子は第九回「一脚展」(2019年/竹中大工道具館)に出品した作品をブラッシュアップしたものです。2018年より SHARE WOODS.(神戸)のデザイン及び製作を担当するようになってから地域材(主に六甲山材)を使用したものづくりに関わることが多く、木材に対しての意識も変わってきました。展示会やイベントに出品するときは出来る限り地域材を使ったプロダクトを作りたいと考えています。

「ST-Chair」

迎山 直樹(TENON)

樹種(地域材)ヤマザクラ
その他ヤマザクラ
仕上げオイル
寸法(mm)W530×D470×H730

普段から椅子をつくっていますが、使用する広葉樹はほとんどが外国産の乾燥材です。樹に囲まれた田舎の工房でものづくりをしていながら、それほど疑問も感じずにやってきたのですが、改めて考えてみると「そこにある樹を使う」のは、当たり前のことだと、ようやく最近考えるようになりました。癖も強く扱いづらい地域材ですが、それらを製品に活かせる椅子作りをしていきたいと考えています。

「曲げ木の椅子」

村上 剛(MURACO)

樹種(地域材)ヤマザクラ
その他岩手県産ヤマザクラ
仕上げoil
寸法(mm)W530×D520×H740

六甲山材を使うのは今回で二度目。節や割れなどが多い六甲山材は、決して良材ではないが、細い丸棒を多く使うウィンザーチェアには相性が良い。今回も特に気負いなく、心地良さを第一に普段の暮らしにとけ込めるような、そんな椅子を目指して制作しました。

「upright chair」

安森 弘昌(神戸芸術工科大学 准教授)

樹種(地域材)ヤシャブシ
仕上げoil
寸法(mm)W510×D370×H680

普段学生に指導しているように、自分の作品にも必ずテーマを設定して作るようにしています。この upright chair では、お尻ではなく太ももで座り、椅子に座りながら正座しているような、腰が楽な椅子を目指しました。今、森の生長リズムに合わせたものづくりが必要とされています。この度の地域材を使った作品は、私にとって森と木材活用の関係性を探る第一歩になると考えます。