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美しい義足を多くの人へ

山中研究室が描く近未来

本物の足のように見せる肌色のカバーでなく、人工物として美しい義足そのものを作れないか。山中俊治研究室では、2008年より「美しい義足」プロジェクトをスタートさせました。
さらに、義足製作の新しい方法へと研究は続きます。職人の手作業で行われる義足製作を、デジタル技術を利用することで、一人ひとりにフィットする義足がより短時間で多くのユーザーの手に届く未来を目指し、研究開発を進めています。

美しい義足プロジェクト

人の体と、人のつくりしものが一体となり、世界を駆け巡る。私たちはそんな夢を「義足」に託しました。
多くの切断者は、義肢を衣服の下に隠して生活しています。「本物の足」に見せかけるカバーはあっても、義肢それ自体を人工物として美しく見せようというデザインアプローチはほとんどなされて来ませんでしたが、義足のアスリート達がスタジアムを駆け抜けるとき、隠すものから見せるものへ、そして賞賛されるものへと、義足が変わりつつあることに気づきます。2008年よりアスリートのための義足を足がかりに、「美しい義足」プロジェクトがスタートしました。

Rabbit Ver.0

デザイン 山中俊治、慶應義塾大学 山中研究室
撮  影 清水行雄

女性用大腿義足

デザイン 山中俊治、慶應義塾大学 山中研究室
協  力 鉄道弘済会 義肢装具サポートセンター
村上清加
撮  影 清水行雄

陸上競技用AM 義足“Rami”

2014年から、Additive Manufacturing(3Dプリント技術)を用いた義足の研究開発に取り組んでいます。職人的な技能に依存する従来の義足製作プロセスをデジタル化し、機能的で美しいスポーツ用義足を多くの人に提供できるシステムを作ることを目的に研究開発をおこなっています。
現在は、アスリートのパフォーマンスや満足度の向上を目的とした義足を開発するために、アスリートごとに異なる身体的特徴や感覚的な嗜好、競技レベルに応じた、個人最適化設計ならびに評価手法の研究を進めています。
また、断端形状の3D データ化から、ソケット設計、走行評価、個人最適化義足の制作という一連のプロセスを一般化するための、デザインプロセスの確立も進めています。

Rami M

評価用義足

Rami M、評価用義足ともに
デザイン 阪本真、那須亮太、山中俊治
協  力 鉄道弘済会 義肢装具サポートセンター 勅使川原みなみ
撮  影 光齋昇馬

*受託研究 スポーツ庁 女性アスリートの育成・支援プロジェクト